個人的には、空と雲のストックフォトを集めるのが好きです。
というのも、当コラムの第3回「写真人生のスタートはミノルタSRT101」にも書きましたが、中学生の頃に写真の知識を授けてくれた、近所の写真店の店主の言葉を今でも大切にしているからです。
それは「空と雲の写真を撮りなさい、空も雲も面白いぞ、こんなに面白い被写体はないから」という言葉です。
今回は、空と雲という素晴らしい被写体について書いてみようと思います。
空と雲のストックフォトは構図が決め手
天気のいい日に空を見上げれば、あちこちに色々な形の雲が浮いているのが見えます。
でも、ただ漫然と空と雲の写真を撮っても、ストックフォトとして通用する写真にはなりません。
まずは、「どんな構図にするか」ということを常に意識することです。
これは千葉県の蓮沼付近の農道で撮影した写真です。
この写真のこの構図だけでも、ストックフォトとして登録はできますが、私がこの風景を見たときに感じたのは「白雲の一部を切り取った構図で撮影してみよう」ということです。
トップ画像の青空と雲のストックフォトは、上の風景の右端にあった雲と青空をズームアップして撮影した作品で、これまで9回ほどご購入いただいている人気作です。
白雲を下部に配置して、真っ青な空をコピースペースとしてたっぷりとった作品に仕上げました。
さらに上のような構図の作品も撮影してみました。
これは、農道で撮影した風景の中心付近にあった白雲に注目して、入道雲が強調されるようにズームを使って構図を決めました。
広い範囲を撮影した素材では、撮影しただけではベストの構図にならない場合もあるので、当コラムの第16回「はじめての方向け!写真の「トリミング」で構図をみがく」で解説したトリミングを使って納得できる構図を作ってください。
空と雲を引き立てる脇役たち
空と雲の写真だけでは、平面的な作品になってしまう場合があります。
でも、そんな場合でも脇役を取り入れることで、レベルアップした作品を作ることができるのです。
上のストックフォトのように、鉄塔と送電線を左端に入れることで、立体的な写真が出来上がります。
このストックフォトは、太陽を配した作品ですが、これは太陽が脇役というより太陽が主役に近い扱いかもしれません。でも、太陽を青空と雲と組み合わせることで、「売れる」ストックフォトに仕上げることが出来ます。
空と雲だけの写真でも、様々なバリエーションの作品は作れますが、空と雲を引き立ててくれる脇役がどこかにないかな、と空を見上げるときは、いつも考える癖をつけましょう。
お気に入りの空と雲の写真
個人的にはお気に入りでも、なぜか売れたことがない空と雲のストックフォトがあります。
なかなかいい作品だと思うけどなぁ…というのは、自画自賛になってしまいますが(笑)、そんな作品も最後にご紹介したいと思います。
空と雲の雄大な風景です。自宅から徒歩数分のホームセンターの屋上で撮影しました。
これは、真夏の入道雲を写した夏イメージのストックフォトです。
左側にコピースペースもとっていますが、なぜかまだ売れていない作品です。
でも、個人的にはかなりお気に入りのストックフォトとなっています。
【ここがポイント!】
空と雲は秒単位で変化していきます。
自宅から見上げた空に、ストックフォトになりそうな雲を見つけて、急いで近所のホームセンターへ数分で駆けつけても、すでに目的の雲は形を崩していて、写真にならないことが何度もあります。
逆に言うと、作品になりそうな雲が無い空だと思っていても、その何分かあとには、素晴らしい雲が姿を現してくれる可能性は、いくらでもあるのです。
さらに、良さそうな雲だと思って撮影した数秒後には、もっと素晴らしい雲に変わっている可能性もあります。
空と雲の撮影のときは、1度撮影しただけで満足せず、最高のシャッターチャンスに巡り会うまで、じっくりと根気強く空を見上げ続けることがポイントです。
※当コラムに掲載されている作品は、無断転載、無断使用はすべて禁止されています。写真右下の“©natsuo / pixta.jp _”に記載の番号をPIXTAサイトの検索バーに入力いただくか、以下から該当作品のページに移動いただくと、作品を購入することができます。
夏空と入道雲:18268122
<!– 夏の青空と入道雲と巻雲:19519201
–>青空と雲:34874788
青空と太陽と浮雲:21287873
青空と雄大な雲:18681329<!–
青空と入道雲:24702122 –>